商品になるまで〜国産柳を育てる〜

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千年を越え伝わる伝統は、素材となるコリヤナギを豊岡で育てるところから始まります。
「柳」と聞くと河辺で枝垂れる柳を思い浮かべる人も多いかと思いますが、コリヤナギは大地から天を仰ぐように真っ直ぐに育ちます。豊岡には円山川という大きな河川があり、肥沃な土を運んできました。
昔から全国でも、柳の育成の試みがありましたが、豊岡で育つコリヤナギは、品質が高いと言われたそうです。
春・夏・秋・冬。四季と年間通しての霧の多いこの町は生命力溢れるコリヤナギに恵まれました。
作り手さんが、各家庭で一年通して小まめに手入れをして育てます。冬を目前にコリヤナギの刈り取りが終り、コリヤナギの株は畑で次の春を待ちわびています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春。この写真は5月です。
コリヤナギから柔らかいイキイキとした若葉と新芽が1m超える高さに育ってきました。
作り手さんにとってはこの時期が最も忙しい時期に入ります。昨年刈り取り、「冬ごもり」した柳の皮はぎ作業もこの時期です。

(別ページ「豊岡柳の魅力」にて紹介)
時間さえあれば、畑にでてコリヤナギのわき目を取ります。節のない真っ直ぐな柳が、編み細工をする素材に適しているからです。
ミンミン~と蝉が鳴く夏も、この作業は続きます。
「あらら。カナブンが着てるな。柳を傷めてないかな」「水枯れしてないかなぁ」「よく育ってきたなぁ」なんて声をかけながら、畑で作業する作り手さんの横に立ち柔らかい葉と枝を私も触らせてもらいました。
これがあの象牙色と呼ばれる素材になるの?と伺うと「そうよ。葉っぱが落ちる頃分るから楽しみにして」と笑顔で答えてくれました。
まるでお母さんが、子供のお世話をしているようにも思えます。やさしい手だなぁと感じました。

 

 

 

夏の終り。畑仕事をしながら、コリヤナギの手入れも続いています。2~3mほどに育った柳は見上げるほどです。
新緑の葉は落ち着いた色になり柔らかいだけではない、しなりの利いた木になり始めます。
ちらほら、赤とんぼや蝶が舞っています。
四季の中で最も賑わいを感じる時期です。

・・・そろそろ秋に近づくと紅葉し落葉してきます。

 

 

秋も終り、11月~12月になるとあれ程茂っていた葉は落葉し、柳もほんのり赤く染まったようにも見えます。
春から夏を満喫したコリヤナギの刈り取りの時期です。
わずかに上部わき目を残しています。細く長い丸木は「たてり」という芯になる素材で柳の編み細工には、重要な役割の素材となります。
どういう素材をどれくらい育て収穫するかも、考えながら育てていたのですね。驚きです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コリヤナギの刈り取りは、手作業で行われます。
ぱちん、ぱちん。株を傷めないように、来年も育ってくれるかな。虫に傷められた株はどれだ?途中で水枯れした枝はでてないかな?たてりに適した枝は収穫できるかな。と、気にかけながら進みます。
私も一緒に刈り取りをさせて頂きました。沢山お話を聞きながら、ぱちん、ぱちん。はさみの音が響きます。
とても太い枝だけは後から鎌(カマ)を使って刈り取ります。
ご家族の協力あっての収穫ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コリヤナギの刈り取り後は、「冬ごもり」です。
こうして束ねて、田んぼに立てます。雨風があっても倒れないようにしっかり立てます。足元はお水が枯れないようにしています。コリヤナギは寒い冬の中、ひたすら春を待ちます。作り手さんは「ネコヤナギみたいに蕾が沢山でてくるんだよ。そしたら春が近いってことだよ。」と教えてくれました。
そっか、柳ですものね。沢山ふわふわした蕾が顔を出すのも楽しみですね。

 

 

 

 

 

年も明けて、2月。コリヤナギに会いに行くと。。。
ふわふわの蕾がでてきました。かわいい!
冬を越えれましたね。あぁ生きてるんだ。と当たり前のことなのに、ふっとそんな思いがでてきました。
この伝統は、コリヤナギと一緒に自然の循環を大事にしてきたんだなぁと感じました。
4月~5月にかけてやっとこのコリヤナギは、籠になるべく素材へと生まれ変わります。(別ページ「豊岡柳の魅力」にて紹介)畑にいるコリヤナギの株は、また新芽を力強く伸ばす準備をしています。
素敵な自然との共存だとおもいました。(担当:ひらの)