丸亀うちわ 竹物語

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環境に優しいと見直されている「うちわ」。丸亀うちわも注目を集めていて、嬉しいことですね。
プラスチックしか手に取ったことの無い人も増えていますが、丸亀の伝統的なうちわ作りは「骨作り」の竹から職人さんはこだわりを持っています。
写真の竹はこれから割(わき:繊維に沿って縦に

0.5mm感覚でスリットをいれること)という肯定に入る前の木取(きどり)した状態です。
「これにスリット入れたらうちわなのでは?」
「竹ならどこにでもあるのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、、、


いえいえ!奥行きの深いうちわの竹物語をご紹介していきましょう。 

 

着いた場所は、香川県丸亀市の中でもこだわった竹を扱っていらっしゃる会社。

作り手の三谷さんが絶大なる信頼を寄せている「竹の職人」とも言える社長様の竹を

今回はご紹介頂きました。
竹を選び始めた 作り手三谷さんの目は、きりっとプロの空気に変ります。
よく食用で育てている竹は孟宗竹で、うちわ作りに使うのは真竹(まだけ)が適しているそうです。
そして真竹の中でも、その選定の仕方でうちわの仕上がりにおおきく影響するのだそうです。

 

竹選定では、竹の肉厚もしっかり見ます。同じ真竹でもご覧の様にそれぞれ肉厚がちがいます。根元からみて、一本約10mもの竹全体の使い勝手を想像しながら適したものを探します。
一言で「うちわ」といえども、「どの様なものを作るのか」で選ぶものが変るそうです。大きなうちわ、小さなうちわ、柄の長いうちわ、穂の長いうちわ・・・それぞれに適した選び方があるそうです。

 

 

 

 

 

 

ここを見てください。節の長さが短いでしょ。うちわの穂を作るのに節を境目にするとしたらこの部分でどんなうちわができると思いますか?と作り手さんからの問いかけがありました。
この節間だと最大でこのサイズの穂になるということです。だから小さめのうちわでないと取れないのですね。
竹も生き物ですから、「上手なお付き合い」をしていかないといけないのですよ。なんでもいいや!ではなく、私がうちわの「骨師」として出合った竹を活かせるかどうかということも大事だと思うのです。使えないから捨てる。という発想ではなく、どう活かすか、を考えて向き合っているつもりなのです。と、やさしく微笑んでくれました。

 

 

 

それでは、今度はこちらを見てください。節の長さはどうですか?これは真竹の先端の方ですね。成長がはやく節間が長いですよね。この部分は穂の大きなうちわになると思いますよね。でも、実際はうちわの鎌(カマ:うちわの輪郭を左右から固定する部分)に使うケースが多いのですよ。
節の長さだけでなく、先程みた肉厚も持ち手の部分として適しているかが大事なのですね。先端になると肉厚も変ります。
10m前後ある真竹でも、うちわの木取できるのは7m前後だけなのです。しかも、竹は生きています。成長によって、それぞれ節間もちがいがあります。お客さまからの要望も様々。7m全てを木取できるかはまた別なのですね。

 

 

 

さて、竹選定でとっても重要な部分なのですが、竹の年齢を見ます。
真竹は2~3年で成長しますが、この頃はまだ若く竹の繊維が柔らかいので、ベストの状態とはいえません。まだ成長段階で、うちわを扇いだ時に「しなり」が物足りないモノになりがちで、特に穂の大きなうちわには向きません。4~5年経った真竹は最適な状態ともいえます。繊維も程好く柔軟であり、うちわを扇いだときの「しなり」が何ともいえない風を生み出します。
私たちも、実際に 扇いで「風のちがい」を感じて驚きましたから、その秘密がこんな竹年齢にあったなんて更に驚きました。三谷さん、どうやって真竹の年齢が分るのですか?
素朴な質問をすると、「色々とありますけど分り易いのは節からも見分けが付きますね」と。
説明を聞いていればなるほど!となりますが、実際とても私たちでは目利きが難しく、職人さんの世界だと感じました。

 

 

どうだい、竹の話は聞けたかい。三谷さんはこんな竹が欲しい!と明確に言ってくるんだよ

と笑いながらと社長様が声をかけて下さいました。
竹でも面白いのあるぞ!これ見てご覧よ!と色々と話を聞かせて頂きました。竹の品質が喜ばれて

他府県からも要望があるとのこと。
心意気のある社長様にも支えられている伝統工芸なんだなぁと、地元ならではの人の繋がりにも

温かいものを感じました。

 

 

 

こうして、やっと手にできる木取。
モノとしてのカタチになる前にも、色々な方の目利きがあってのモノ作りなのですね。
持ち手にアクセントで色を着ける場合などは、まだ特別な工程が必要となります。
「大変ではないですか?」と訊ねると、作り手三谷さんは、「私の師匠もその師匠も同じように、大切にうちわのひとつひとつの工程を施してこられたのです。だから、大事に使ってもらえるように、私も妥協することなく作りたいのです。どの様に真竹を選定してるかという部分が、人には見えなくても、師匠から受け継いだ一部です。真竹を選定する目利きもうちわの風の一部になっています。私はすぐ使い捨てられるうちわでなく、何年も愛用してもらえるうちわをお客様にお届けしたいです。」と優しい口調でありながら強い言葉を聞かせてくださいました。
ひとつひとつが手作りということは ひとつひとつを見比べて、「あぁこれが良い」とか「これが好きだな」と選んで頂けるうちわなのです。好きな物を手にすると大事にされますよね。私は丸亀うちわが大好きなのです。
そう話してくれた三谷さんに、ぐっと魅かれました。
(担当:ひらの)