商品になるまで〜国産柳の皮剥〜

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兵庫県に訪れたことはありますか?
日本海から瀬戸内海までと広く、自然が豊かな県です。

豊岡は日本海に近く、城之崎温泉がすぐそこです。
街を円山川が 優雅に流れています。
この円山川は、荒々しく水害ももたらし 
反面 豊岡の里を豊かな土地に育んだのも円山川です。

豊岡の人々は、千年を越える柳細工の伝統から
日本全国でも絶賛される「カバンの産地」として
産業を育ててきました。

豊岡柳は、その名の通り
職人さんが コリヤナギの畑から大事に柳を育てています。

さぁ!春が着たら
育てたコリヤナギの皮剥ぎの季節です。
自然と調和した 素敵な工程をご紹介しましょう。

 

 

 

冬は 田んぼで冬越えをします。
春の知らせは、このネコ柳のような ふわふわの芽。
冬眠から目覚めだした証拠ですね。

もう少しすると、コリヤナギは 生命力いっぱいに
畑のコリヤナギに負けないくらい 若葉をつけます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コリヤナギは5月になるとこんなに新芽をつけます。

もちろん、畑にも 新緑のコリヤナギが広がっています。

冬を越えた柳は 水を吸い上げるために根を出します。
植物を挿し木すると根がでてきますよね。

コリヤナギの皮剥ぎは、この根がでてきたときに行います。
水を吸い上げるときが
最も綺麗に皮を剥げるときなのです。

 

 

 

 

 

 

 

ほら。ご覧ください。
こんなに根が出ています。
春の息吹と生命力を感じます。

このまま土に挿すと、ちゃんと育ちます。


でも 今日は皮剥ぎですから、
カゴの材料になってもらいます。

さぁさぁ 急がないと
 春しかできない作業だからね。

 

 

 

 

 

皮剥ぎは 一本ずつしかできません。
しかも 手作業です。

よいしょ。ヨイショ。

二股になった機材に コリヤナギを挟み
一気に手前に引きます。

根が出ているおかげで 皮と中の表面との間が
スルッと剥げます。

簡単そうに見えますが、、、
これを 何千本とするわけです。

気が遠くなりそうですね。

昔は、豊岡でも分業でやっていた作業です。
柳の畑を作る人、柳をカゴを編む材料に仕上げる人
柳でカゴを編む人、編んだカゴを仕上げる人。今は、職人さんが 一人、もしくは家族で

すべての作業を支えています。

 

 

ほら。きれいな色でしょ♪」と見せてくれました。

これが、植物の象牙と呼ばれる白肌です。

春に手作業で剥いた柳は白肌で滑るような表面をしています。

(この季節以外だと蒸して、皮を剥ぐそうですが
 茶色く、繊維も蒸してしまうと強度も多少落ちるそうです)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右:皮剥ぎ前
左:皮を剥いだ後


これで終りではありません。


剥いた柳は 家のそばを流れる川で 綺麗に洗います。

あとで。なんて言ってられません。
皮を剥いで、綺麗な水で洗って、干す。
この作業は 間をおかずに テキパキとこなさなければいけません。

 

 

 

 

 

洗った後は、こうして 風通しの良い場所で干します。

柳もスッキリした顔(?)をしてるように感じます。

ほんと陽射しが差し込むと
美しい白い柳です。

うっとり。


ここにあるだけでも・・・何本あるんでしょうね?

写真には入ってないですけど
もっと ほかの場所にも干してあります。

小さな 小枝の部分もちゃんとあります。
一年かけて畑にできた柳。
無駄になる部分なんて無いのですね。

 

 

最後に。

これは 保存している倉庫を見せていただいたモノ。

奥は ちょっと茶色いのが分りますか?
蒸して皮剥ぎした柳。

手前の白い肌のは、
手作業で皮剥ぎした柳。

どの材料も、何がいい悪いではなく
大事にされています。

ご自分で汗流して 畑で育てて
カゴになることを夢見て待っているコリヤナギ達。
大事で可愛いですよね。

だから、
「なが~いこと持つカバンだんだから、
 大事に使って欲しいね。
 白い柳が年数かけてあめ色になっていくのも
 味がでていいんだょ。
 私のこのカバンは もう十年。これは 5年。
 ほら。こんなべっ甲色になって綺麗でしょ。」

そういいながら 愛着あるカゴを見せてくれます。

優しさが伝わる産地です。